米家庭内労働者の知られざる実態 現代の「奴隷制」か、低賃金に虐待も
米国の家庭内労働者は、国勢調査によると過去数年で72万6437人にまで増加しているが、リポートは実際の数字はこれよりもはるかに多いだろうと指摘している。
超富裕層家庭で働いている労働者もいるが、その多くは、雑用をこなす人間を雇うのには十分な経済力がある、多忙な幹部職・専門職の中流家庭で働いている。また、より低所得の高齢者家庭で掃除や介助の仕事をする人もいる。
家庭内労働者の家族の生活は苦しく、その60%は、収入の半分以上を家賃や住宅ローンの支払いに費やしており、20%の人は、過去1カ月の間に家に食料が全くない時期があったとインタビューで答えている。
家庭内労働者には、最低賃金や残業、傷病・有給休暇などを定めている労働関連法は適用されず、その23%は得ている給料が各州別の最低賃金を下回る。住み込みの家庭内労働者に至っては67%が最低賃金未満で働いている。
リポートによれば、住み込みの場合は住み込みでない場合よりも総じて受け取る賃金が少ない。時給の中間値は、子育ても担う家政婦では、住み込みでない場合が11.55ドル、住み込みでは6.76ドルとなっている。介護職では、住み込みでない場合が10ドルで、住込みでは7.69ドルとなっている。
家庭内労働者の65%は健康保険に未加入で、社会保険料を負担している雇い主は9%に満たない。