メキシコ系判事だからトランプ氏不利に? 発言が波紋
(CNN) 米大統領選に向けた共和党の候補指名を確実としている実業家のドナルド・トランプ氏が、自身の運営する「トランプ大学」をめぐる裁判の判事について、メキシコ系の出自のために偏向しているとの主張を展開して物議を醸している。トランプ氏は3日、この見方が差別的だとする批判に反論し、自身の正当性を主張した。
CNNの番組に出演したトランプ氏は、カリフォルニア州南部地区連邦地裁のゴンザロ・クリエル判事について、これまで「とても信じられないような判決」を言い渡してきたと指摘した。
そのうえで「クリエル判事は自分の出自に誇りを持っており、それは尊敬している」とし、自身の主張が人種差別だとする指摘を否定。「彼はメキシコ人だ。我々は米国とメキシコの間に壁を築こうとしている」と述べた。
この問題が最初に持ち上がったのは2日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルに掲載されたインタビューの中だった。
この中でトランプ氏はクリエル判事について、トランプ大学をめぐる訴訟では「生まれながらの利益相反」を抱えていると指摘。メキシコ系の出自が原因でトランプ氏に不利な判決を言い渡そうとしていると述べた。なお、クリエル氏は米インディアナ州生まれ。
クリエル判事は先週、トランプ大学をめぐる訴訟の一環として、運営戦略などに関わる同大の内部資料の一部を公開するよう命じていた。