「まるで爆弾の跡」、山火事で焼き尽くされた町 米オレゴン州
(CNN) 米西海岸で多数の山火事が猛威を振るうなか、オレゴン州中部のデトロイトでは13日までに大半の建物が全焼し、一面焼け野原となった。
デトロイトは同州ポートランドの南東約190キロに位置する。地元消防当局者らによると、消防本部があった市庁舎を含め、市内の建物は20~25棟ほどを残して焼き尽くされた。
当局者らはフェイスブックに「残った建物を守ることに注力している」と書き込んだ。自宅を失いながら現場で奮闘を続ける消防士もいるという。
住民の1人は自宅周辺が焼け跡となった映像を見て、「まるで爆弾の爆発現場のようだ」と語った。
デトロイトのトレット市長は2年前に山火事で破壊されたカリフォルニア州パラダイスの被害を見て、3つの渓谷が重なった谷底の地形はデトロイトによく似ているとの感想を抱いていたという。
現場に立つ三輪車=11日、オレゴン州デトロイト/Mark Ylen/Albany Democrat-Herald/AP
西海岸一帯では現在、90件以上の山火事が発生している。特に集中するのはカリフォルニア(25件)、ワシントン(16件)、オレゴン(13件)、アイダホ(10件)各州の農村部や森林地帯。連邦消防当局によると、焼失面積は全体で計186万ヘクタールに達した。これはコネティカット、ロードアイランド両州を合わせた面積に匹敵する。
都市部の住民にも影響が及んでいる。煙で汚染された大気が炎症を引き起こして免疫機能を低下させ、新型コロナウイルスのような呼吸器感染症に感染するリスクを増大させる恐れもある。
煙に包まれたカリフォルニア州の住宅街=13日/David McNew/Getty Images
先月中旬以降の山火事による死者はカリフォルニア州で22人、オレゴン州で10人。ワシントン州でも子ども1人が死亡した。オレゴン州のブラウン知事によると、州西部では今も数十人が行方不明になっている。