トランプ氏、1.5億回分のコロナ迅速検査キットの配布発表
(CNN) トランプ米大統領は28日、新型コロナウイルス感染の迅速検査キット計1億5000万回分を全米に配布すると発表した。
トランプ氏は同日午後、ホワイトハウス庭園で、診療現場で迅速に実施できる米医療機器大手アボット・ラボラトリーズの検査キットを、数週間のうちに配布する計画を明らかにした。
ホワイトハウスは最近、この検査キットが新型ウイルス対策の流れを変える可能性を指摘したが、その活用法をめぐっては地方当局の意見が分かれていた。
トランプ氏によれば、1億回分は経済活動や学校の迅速な再開を支援するため、各州と海外領土に配布する。残り5000万回分は高リスクのグループを保護するために、高齢者施設やホスピス、黒人大学などに配るという。
トランプ氏はかつて、検査件数を増やせば陽性者が増えるばかりだとして、検査の抑制を指示したとも話していた。しかし28日の発表では、「検査能力を大幅に拡充すれば低リスク集団に症状のない感染者がもっとたくさん見つかるようになる」と認めたうえで、「過度の心配は無用だ」と主張。陽性者数よりも、病院の収容能力や死亡率といった指標のほうがはるかに重要だと強調した。
トランプ政権で新型コロナウイルス検査を統括するブレット・ギロイル医師は同日、CNNの番組に出演し、各州がどのように検査キットを配布するかは州知事の裁量に委ねる方針を示した上で、「今週は650万個を州知事に送付する。彼らが適切と思う方法で使用し、できれば学校や他の重要なインフラに使ってほしい」と語った。
米疾病対策センター(CDC)は先月、新型ウイルス感染の検査について、感染者との接触歴があっても本人に症状がなければ必須でないとの指針を示した。しかし今月になってこれを撤回し、「接触者全てに検査が必要」と変更している。