米、アストラゼネカ製ワクチンを近く他国に提供へ
(CNN) 米ホワイトハウスは26日、米国で製造された英製薬大手アストラゼネカの新型コロナウイルスワクチンを数カ月以内に他国に提供する選択肢を検討中だと発表した。
ホワイトハウスのサキ報道官は今回の決定の理由について、米国では使用が許可された他の新型コロナワクチンを入手可能なためだと示唆。米国は数千万回分のアストラゼネカ製ワクチンを備蓄しているものの、米食品医薬品局(FDA)はまだ同ワクチンの緊急使用許可を出していない。
サキ氏は「米国には2回接種型のワクチン2つと1回接種型のワクチン1つを含め、すでに許可され大量に入手可能な一連の強力なワクチンがあること、米国ではアストラゼネカ製ワクチンの使用が許可されていないことを踏まえると、我々は今後数カ月のコロナ対策でアストラゼネカ製ワクチンを使う必要はない」としている。
サキ氏はまた、FDAはワクチンの輸出前に品質面の審査を行う方針だとし、供給計画についてはまだ策定中だと述べた。ホワイトハウスはどの国がワクチンを受け取るのか明らかにしてない。
政権高官が同日明かしたところによると、FDAがアストラゼネカ製ワクチンの緊急使用許可を出すと仮定した場合、2カ月以内に最大6000万回分のアストラゼネカ製ワクチンが他国に提供可能になる可能性があるという。
米国以外の国はワクチン接種の拡大に苦戦しており、複数の国の指導者がバイデン米大統領にワクチンの提供を要請している。現在、世界最悪級の感染拡大に見舞われているインドもそうした国の1つだ。
バイデン氏とインドのモディ首相は26日に会談。複数の政権高官によると、モディ氏は今回の会談ではワクチンに関する具体的な要請をしなかったという。