モスク侵入者に殺害された管理人、子ども救った英雄と称賛 米フロリダ州
(CNN) 米フロリダ州でモスク(イスラム教礼拝所)に男が押し入って施設の管理人の男性と争いになり、管理人が死亡する事件があった。その命がけの行動のおかげで、子どもたちが救われた可能性があると関係者は話している。
同州セミノール郡保安官の会見によると、24日早朝、同州サンフォードにあるフセイニ・イスラムセンターで、裏口付近に人が倒れていると女性から通報があった。
女性は同センターに出勤したところ、内部で争ったような形跡があり、椅子やテーブルが散乱して窓ガラスが割られていたと証言。裏口付近に人が倒れているのを見て警察に通報したと話しているという。
駆けつけた警官は、施設管理人の男性(59)が裏口で死亡しているのを発見。男性はシャベルで殴られていた。
捜査当局は、容疑者がプロパンボンベで窓を割ってモスクに侵入し、出勤してきた管理人の男性と争いになったとみている。
同センターは学校や保育所も運営しており、間もなく子どもたちがやって来る時間だった。センター長は死亡した施設管理人の男性について「子どもたちの命を救ってくれた」とたたえ、「彼はいつも『命をかけてこの場所を守る』と言っていた。その通りのことをしてくれた」と男性をしのんだ。
容疑者の男はSNSへの投稿で、自分はジュリアス・シーザーの子孫だと主張、シーザーの財産を守る必要があると書き込んでいたという。「この場所が狙われたのは、モスクだったからではなく、シーザーの家だと殺人犯が信じていたためだった」と保安官は説明する。
容疑者は被害者の車で現場から逃走。駐車場で車を止められて銃を抜くようなそぶりを見せたため、捜査員が発砲した。
容疑者は負傷して手術を受け、回復すれば殺人の罪に問われると保安官は話している。