サル痘で米国初の死者、保健当局とCDCが確認
(CNN) 米カリフォルニア州ロサンゼルス郡保健局は12日、同郡の住民1人がサル痘のために死亡したと発表した。米国内でサル痘による死者が確認されたのは初めて。
米疾病対策センター(CDC)も、サル痘とこの患者の死亡との因果関係を確認した。発表によると、死亡した患者は免疫力が著しく低下した状態で入院していた。
保健局は、重度の免疫力低下状態でサル痘の感染が疑われる場合、早期に医師の診察を受け、回復するまで治療を続けるよう勧告している。
サル痘による死者は極めてまれだが、乳児や妊婦、エイズウイルス(HIV)感染者など免疫力が低下している患者が影響を受けることがある。米テキサス州ハリス郡でも先月、サル痘の感染者が死亡しているが、サル痘ウイルスのために死亡したのかどうかは確認されていなかった。
CDCの統計によると、米国で今年に入ってサル痘の感染が確認されたり感染の疑いがあるとされた症例は、12日現在で約2万2000例。州別ではカリフォルニア州が4300例と最も多い。
世界では、米国を除いてほぼ5万8000例が報告され、18人の死亡が確認された。
サル痘の流行状況について世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長は先週、欧州では減少傾向が続いていると述べ、米大陸からの症例報告も過去1週間で減少したと指摘。しかし米大陸では症例数が増えている国や、偏見や差別あるいは情報不足のために報告数が少ないと思われる国もあり、確固たる結論を出すのは難しいと語り、「減少傾向にある時は、気が緩みがちになることから最も危険だ」と警告した。