米国、ロシア海軍の原子力魚雷の試験準備を把握 情報筋
(CNN) ロシア海軍の艦艇がここ数週間、原子力推進の新型魚雷の試験を準備していたのを米国は把握しているという。この件を直接知る米政府高官がCNNに明らかにした。
試験準備に参加した艦艇の中には、魚雷「ポセイドン」など無人潜水兵器を発射できる特殊作戦用に改造された巡航ミサイル潜水艦「ベルゴロド」が含まれていた。
先週、艦艇が北極海の試験場を離れ、試験を行わずに基地に戻る様子が確認された。技術的な問題に遭遇した可能性があると米国は考えている。
西側のある外交官はCNNに「これはロシアが最近行っている、訓練も装備も不十分な軍隊をウクライナに送るという大局的な軍事行動の一部と見ることができる」と指摘。「ロシアの軍需産業は困難な時期を迎えている。ハイテク軍需品に対する西側の制裁が効果を発揮しており、制裁を継続しなければならない」と述べた。
米当局はロシアが再び魚雷の試験を試みる可能性があると述べたが、試験を行うエリアの海域は間もなく氷結し始め、試験可能な時間はそう残されていないと指摘した。
魚雷「ポセイドン」は通常弾頭と核弾頭の両方を搭載できる原子力無人潜水機で、原子力推進システムにより航続距離はほぼ無制限だ。
米国は核兵器を爆発させるような実験が行われたとは考えていない。潜在的な危険は原子力推進システムの誤作動で、放射能によるリスクをもたらす可能性がある。