(CNN) 米国のトランプ前大統領が2021年夏の音声記録の中で、「極秘の」軍事情報を機密解除しないまま保持していることを認めていたことが分かった。CNNが入手した当該音声の文字起こし記録から明らかになった。
記録によればトランプ氏は「大統領だった時には機密解除できたが、今はできない」と述べている。
CNNが入手した当該の記録は、トランプ氏が国防総省の文書について議論した会合の一部。文書の内容はイランへの攻撃に関するものだった。CNNは先ごろ、この記録を検察が入手したと報じていた。
記録によるとトランプ氏は、自ら言及した文書の機密を解除しなかったと明らかにした。同氏は8日、機密文書の扱いを巡る捜査に関連して起訴された。
起訴に当たって、当該の音声記録は大きな意味を持つ。その内容からトランプ氏が大統領退任後、フロリダ州の自宅「マール・ア・ラーゴ」に保持していた文書について、依然として機密情報のままだと把握していたことが分かるからだ。
公にはトランプ氏は、マール・ア・ラーゴに持ち込んだ文書は全て機密解除されていると主張。特別検察官による捜査は政治的な魔女狩りに他ならず、24年の大統領選に臨む自身の選挙活動を邪魔するのが狙いだと批判している。
CNNが先週報じたところによると、当該の会合は21年7月、ニュージャージー州にあるトランプ氏所有のゴルフクラブで開かれた。そこにはトランプ氏の首席補佐官を務めたマーク・メドウズ氏の伝記制作に携わる2人の人物と、トランプ氏が雇用する側近2人が出席していた。
音声の書き起こし記録からは、トランプ氏が議題に上がった文書を室内の人々に見せている状況がうかがえる。情報筋がCNNに明かしたところによると、音声記録は紙がめくれるような音を捉えている。ただこれが実際にイランに関する文書なのかは判然としない。
トランプ氏は文書を「極秘情報」だとしつつ、閲覧を促している。文書は軍が作成し、自身に与えられたものだとも説明している。
今年3月、検察は21年のこの会合で言及された文書を巡ってトランプ氏に召喚状を出した。トランプ氏の弁護士らはこれを受けて、イランと米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長に関連する複数の文書を提示したが、当該の文書そのものは見つけられていなかった。