ウクライナ侵攻3年に合わせたG7共同声明、米国が「ロシアの侵略」言及に反対

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ウクライナ東部ハルキウでのドローン攻撃で発生した建物火災に対応する緊急要員/Sergey Bobok/AFP/Getty Images

ウクライナ東部ハルキウでのドローン攻撃で発生した建物火災に対応する緊急要員/Sergey Bobok/AFP/Getty Images

(CNN) ロシアによるウクライナへの全面侵攻から24日で丸3年を迎えるに当たり、 主要7カ国(G7)は共同声明の準備を進めている。そうした中、米国が文書に「ロシアの侵略」の語を盛り込むのを拒んでいることが分かった。

事情に詳しい西側の当局者2人が明らかにした。それによると文言を巡る対立は、米政府の紛争への見方が大きく変化したことを反映している。米国のトランプ大統領は戦争の責任がウクライナにあるとの認識を示し、同国のゼレンスキー大統領を「独裁者」になぞらえている。

この姿勢は、米国のバイデン前政権やG7の他の国々とは著しく対照的なものとなる。

G7は来週、ウクライナ侵攻から3年に合わせてオンラインで会合を開く予定。しかし戦争が4年目に入る中で、ロシアへの非難に対して米国が抵抗を示す状況は西側が決意を固める上での脅威となっている。

「ロシアの侵略」の文言は、紛争開始当時のG7の声明で既に使用されている。それによって当該の紛争は「違法な侵略戦争」と定義され、G7各国はウクライナ政府への支援の主導に動いてきた。

現在、米国の特使らは文書の中で戦争をどのように位置づけるのかを巡り懸念を表明している。当局者らが明らかにした。トランプ氏は、ロシアのG7への復帰を認めることも示唆している。ロシアは14年のクリミア併合後、当時のG8から除外された。

米国以外のG7各国は、声明が戦争の責任に関して軟化した内容となればそれはロシアにとっての勝利を意味するとしている。当局者の一人によると「協議はなお継続中」だが、「戦争の責任の所在が曖昧(あいまい)になる懸念は大いにある」状況だという。

協議については英紙フィナンシャル・タイムズが最初に報じた。

ホワイトハウスにコメントを求めたが、返答はなかった。しかし20日の記者会見でウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)はトランプ氏が依然としてゼレンスキー氏に腹を立てていると明かした。

トランプ氏は19日、ソーシャルメディアへの投稿でゼレンスキー氏への不満を吐露。「考えてもみて欲しい。ボロディミル・ゼレンスキーという、そこそこ成功した程度のコメディアンがアメリカ合衆国を言いくるめて3500億ドル(約52兆円)払わせ、勝ち目のない戦争に突き進んだ」と主張していた。

米政府は先ごろ、ウクライナへの過去の援助の見返りとして同国のレアアース(希土類)鉱物の50%の所有権を取得することを提案したが、ウクライナは将来の援助の保証はないとの理由でこれを拒否。米国側の怒りを買う事態にもなっていた。

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