ゼレンスキー氏、米特使との会談は「生産的」 トランプ氏は同氏に「いら立ち」
(CNN) 米国のロシア・ウクライナ担当のケロッグ特使は20日、ウクライナ首都キーウでゼレンスキー大統領と会談を行った。
今回の訪問は、両国間の亀裂が深まる中で行われた。トランプ米大統領とゼレンスキー氏との長年の緊張関係は今週、和平交渉に向けた外交努力をめぐって公に引き裂かれた。
ゼレンスキー氏は、演説で「この会談は希望を取り戻すものであり、米国との強力な合意、真に機能する合意が必要だ」と述べ、会談が正しい方向への一歩であることを示唆した。
トランプ大統領は19日、ゼレンスキー氏を「独裁者」と呼び、米国に何十億ドルもの費用を強いて「勝てるはずのない戦争に突入」させたとして同氏への批判を激化させた。一方、ゼレンスキー氏は、トランプ氏について、戦争に関するロシアの偽情報を繰り返しており、「残念ながらこうした偽情報の世界に生きている」と応酬した。
ゼレンスキー氏は20日、ケロッグ氏と「生産的な会談」を行い、「ウクライナと米国の強い関係は全世界に利益をもたらす」と述べた。会談では「戦況、捕虜の帰還方法、効果的な安全保障」について話し合われたという。米政府は先ごろ、ウクライナへの過去の援助の見返りとして同国のレアアース(希土類)鉱物の50%の所有権を取得することを提案したが、ウクライナは将来の援助の保証はないとの理由でこれを拒否した。
ロシアのウクライナ侵攻3年に合わせた主要7カ国(G7)の共同声明をめぐり、米国は「ロシアの侵略」に言及することに反対している。この問題に詳しい2人の西側当局者が明らかにした。トランプ氏は、ロシアのG7への復帰を認めることも示唆している。
ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障担当)は20日、トランプ大統領がゼレンスキー氏に「いら立ち」を感じていると指摘した。トランプ氏はウクライナ戦争についてロシアのプーチン大統領とゼレンスキー氏のどちらに責任があると考えているかとの質問には答えていない。