シリアで政府による「大虐殺」の恐れ、反体制派が警告
(CNN) シリアの反体制派組織の連合体、シリア国民評議会(SNC)は9日、シリア政府は間もなく、反体制活動の中心となっているシリア西部の都市ホムスで反政府デモの鎮圧を目的とした「大虐殺」を行うと警告した。
SNCによると、すでに政府の軍隊や軍用車両がホムスを包囲し、60カ所以上に数千人規模の軍隊が配置されているという。
SNCは「これは政府が弾圧を行う前触れだ」とし、「大勢の犠牲者が出る可能性がある」と指摘。さらに「ホムスにいる活動家から入手したさまざまな証拠から、アサド政権がホムスでの革命を鎮圧し、また革命に加わった他の都市の動きをけん制するために大量虐殺を行う準備を進めていることが分かる」と述べた。
反政府組織、シリア地域調整委員会(LCCS)によると、9日、ホムスで少なくとも18人が死亡し、さらに別の地域で少なくとも19人が死亡したという。死亡者の中には反体制派の兵士の他に女性や子どももいたという。
国連は先週、シリア政府が3月中旬に反体制派の武力弾圧を開始して以来、4000人以上が死亡したと発表した。シリアのアサド政権による反政府デモの武力弾圧は国際社会の反発を招き、アラブ連盟、トルコ、米国、欧州連合はシリアに対する経済制裁を実施した。
国民評議会によると、アサド政権は「宗派間の衝突を促し、虐殺を正当化しようとしている」という。ホムスでは5日、宗派間の衝突の犠牲者と見られる30人以上の遺体が発見された。