干ばつで食糧不足のケニア、小学校夏休み給食中止で命の危険迫る
(CNN) 記録的な干ばつに見舞われているアフリカ東部のケニアで、給食を無料で提供して住民の命綱となっていた小学校の夏休みが迫り、援助団体が危機感を募らせている。
援助団体の関係者は「もし学校が閉まれば、子どもたちが絶望的な危険にさらされる。弱い存在である子どもたちにとって、死の危険が現実のものになる」と訴える。
隣国ソマリアでは国連が「飢饉」を宣言し、ケニアでは政府が非常事態を宣言した。援助団体によれば、同国では現在、約350万人が食料不足に見舞われ、その約3分の1を5歳以下の子供が占めるという。
特にひどい干ばつに見舞われている北部のトゥルカナでは、既に多くの小学校で食料が入手できなくなり、給食を打ち切った。
ケニア政府は国連世界食糧計画(WFP)の協力を得て、国内全土の学校に給食のための資金を供給してきた。本来は教育の向上を目指す措置だったが、現在ではこれが唯一の生存の糧になっている家庭も多いという。
ユニセフの現地スタッフは、給食が中止になればただでさえ深刻な食糧難の一層の悪化は避けられないとして、継続のためにあらゆる措置を講じると語った。
ケニア政府は現在、8月の夏季休暇の間も学校を開けるかどうかを検討中。国際援助を受けて無料給食を提供している学校には入学希望者が殺到している。
「人々が大量に死んでいくのを見捨てずに済むよう、国際社会に支援を呼び掛けたい」と援助団体は訴えている。