カイロで大規模な衝突、大統領支持と反対両派 就任後初めて
カイロ(CNN) エジプトの首都カイロ中心部にあるタハリール広場周辺で12日、ムルシ大統領の支持派と反対派が投石や火炎瓶などを交えて衝突、保健省によると少なくとも121人が負傷した。
イスラム組織出身のムルシ大統領が今年6月に就任後、支持派と反対派が街頭で大規模な衝突を起こしたのは初めて。この騒乱のあおりで広場周辺の道路が封鎖され、多くの商店が閉鎖した。
抗議に集まった反対派は数千人規模で大統領の辞任や公正な統治などを要求。目撃者によると、ムルシ氏の出身母体であるイスラム組織ムスリム同胞団が反対派を襲い、右派グループが設けたステージを破壊するなどした。同胞団によると、保有するバス2台が焼かれ、マハラ地区にある本部も炎上した。
12日に集まった大統領批判派は、昨年2月の旧ムバラク政権崩壊の原動力となった勢力で、この日は5カ所に集結し、タハリール広場へのデモ行進を計画していた。反対派は昨年2月の政変でデモ隊を弾圧した旧政権幹部の多数が11日に釈放されたことに反発、全ての勢力を反映させる新憲法の制定なども要求した。
また、ムバラク氏の裁判やり直しや反体制派のデモ参加者に殺害に関与したとする旧政権閣僚の再裁判も求めている。前政権を打倒した大規模な民衆デモでの犠牲者は800人以上とされるが、旧政権幹部の大多数は刑事責任を問われていない。