マリで未婚の母のリスト作成か、虐待懸念高まる 石打ち・手足切断など
(CNN) 西アフリカのマリ北部を支配するイスラム過激派が、未婚の母のリストを作成しており、彼女らに石打ち、手足の切断、処刑などの残忍な罰が科される懸念が高まっていることが明らかになった。
最近マリを訪れた国連のシモノビッチ事務次長補(人権担当)は、イスラム過激派が未婚の母や妊婦のリストを作成しているとの複数の報告を受けたとし、「これらの女性に残忍かつ非人道的な罰を科される危険がある」と述べた。
マリ北部の大部分を支配するイスラム過激派は、より厳格なイスラム法(シャリア)の適用を公約しており、地元過激派によると同法は婚外の男女関係を禁じているという。
そんな中、国連安保理は12日、これらの虐待行為や、過激派組織イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)などのテロ組織の活動を非難し、マリへの国際部隊派遣の準備に向けた決議案を全会一致で可決した。前日の11日、マリの首都バマコでは同国北部に国際部隊を派遣する動きを支持し、数千人がデモ行進を行った。
マリは3月に軍事クーデターが発生して混乱に陥り、5月にクーデターを起こした軍部が政権を文民政府に返還したが、不安定な状態が続いている。
地元のトゥアレグ族とイスラム過激派がクーデターの混乱に乗じてマリの北部を制圧したが、その数カ月後、アルカイダとつながりのある2つの組織がトゥアレグ族を打倒。現在、その2つの組織がフランスの国土面積に匹敵するマリ北部の3分の2を支配している。
西アフリカ諸国とマリの暫定政府は、国連安保理に北部を支配する過激派グループを追放するための軍事介入を承認するよう求めていた。