イラク、ロシアと42億ドルの武器購入契約を締結 米国離れの現れか?
バグダッド(CNN) ロシア国営RIAノーボスチ通信は9日、ロシアとイラクの間で42億ドル(約3300億円)相当の武器売買契約が締結されたと伝えた。これに対しバグダッドの米国大使館は、米国とイラクの間にはそれを上回る額の武器取引契約があると強調している。
CNNの取材に対し米大使館の広報は「イラク政府は一貫して、兵器の供給元として米国を第1に選ぶ姿勢を見せてきた」と書簡で返答した。
RIAノーボスチ通信によれば、ロシアは攻撃ヘリコプターや移動式対空防衛システムをイラクに売却する。また同通信はロシアの専門家の話として、「イスラム教シーア派のイラク政府は米国から独立した行動を取り始める一方で、イランに目を向けるようになってきている」との指摘を伝えた。
在バグダッド米大使館によれば、イラクと米国の間の防衛関連の取引は123億ドルに上る。だが一部のイラク政府関係者からは、米国からの武器購入がなかなか進まないことに不満の声も上がっている。
米大使館は「われわれはイラクが正当な国防に必要な装備を購入しようとするのを全面的に協力し、発注にできるだけ早く応じられるよう動いている」と大使館は述べた。
一方、9月にはバイデン米副大統領がイラクのマリキ首相に対し、内戦の続くシリアへの武器流入阻止に協力を求める一幕があった。バイデン副大統領は、シリアに武器援助を行おうとする国々がイラクの領土や領空を利用するのを防止する必要性を訴えた。
この発言に対しマリキ首相は「シリア危機に対するイラクの姿勢について疑念を煽ることへの不快感」を表すとともに「領土や領空を通っての武器供給や暴力行為を認めないというイラクの強い立場」を改めて示したという。