牛を巡る部族間対立で出動の警官に銃撃、38人死亡 ケニア北部
ナイロビ(CNN) ケニア北部で14日までに、牛の群れを巡る部族間対立で出動した警官が自動小銃で撃たれ、目撃した負傷者らによると38人が死亡した。同国警察史上で最大規模の惨事とされる。
地元メディアは37~42人が死亡したと伝えた。治安担当閣僚は死者数を発表していない。
この地域では遊牧民のサンブル族とトゥルカナ族が長年にわたり牛の奪い合いを繰り広げてきた。自動小銃を携行する牛飼いも珍しくなく、周辺住民は厳重な自衛態勢を敷いていている。
先月もトゥルカナ族がサンブル族を襲い、多数の牛を奪う事件が発生。ケニア政府が介入し、9日までに牛を返さなければ実力で対応するとトゥルカナ族に言い渡していた。トゥルカナ族側が応じなかったため、警察が出動した。
警官らは牛を取り戻す作戦を実行している時、武装したトゥルカナ族の一団から待ち伏せ攻撃を受けたという。
双方の指導者らはかねて政府に治安改善を要求し、警察は人員も武器も不足していると批判してきた。政府側は改善を約束し、部族間の和解に努めるとしている。
だが入院中の負傷者でサンブル族出身の人々からは、「サンブル族の土地からトゥルカナ族を強制的に排除するしかない」「仲間が攻撃にさらされている限り武器を置く気はない」との発言が相次いでいる。