アラファト議長の遺体掘り起こし作業始まる 毒殺疑惑を解明へ
パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ラマラ(CNN) 2004年に死去したパレスチナ自治政府のアラファト前議長の遺品から高濃度の放射性物質ポロニウム210が見つかった問題で、毒殺疑惑の真偽を確かめるため、同氏の墓があるパレスチナ自治区ラマラで13日、遺体の掘り起こし作業が始まった。
パレスチナの情報筋によると、現場チームはまずガラス板や大理石の墓石を取り除く作業に着手した。手作業で丁寧に進める必要があり、最長で2週間かかるとみられる。CNN取材班によれば、議長府敷地内の墓は大きな防水シートで囲まれた。
同氏は脳出血で昏睡(こんすい)状態に陥り、パリの軍病院で死去した。75歳だった。パレスチナ当局は当時、血液と消化器の疾患があるが白血病ではないと発表した。これに対して毒殺説が浮上したものの、自治政府のシャース外相らが強く否定していた。
しかしスイス・ローザンヌの研究所が遺品から高濃度の放射性物質ポロニウムを検出したことを受け、妻スーハさんが刑事告訴。フランス当局が殺人事件として捜査している。遺体の掘り起こしは、後継者のアッバス議長が承認した。