エジプト新憲法案の第1回国民投票 「賛成多数」と与党
(CNN) 新憲法案の是非を問うエジプトの国民投票は15日に1回目の投票が実施され、ムルシ大統領率いるイスラム系与党「自由公正党」は16日、憲法案が賛成多数で承認されたと発表した。一方、人権団体などでつくる選挙監視団は、各地で不正が横行したと報告。選挙管理委員会による公式開票結果の発表は、22日の第2回投票以降になる。
15日の第1投票は国内27地域のうちの10地域で行われ、自由公正党は、賛成票が56.6%、反対票は43.5%だったと発表。「第1段階の国民投票の民主的なプロセスによって、国民が政治的、憲法的な安定を求めていることがはっきりした」と強調した。
同党関係者は、イスラム保守系の住民が多い同国第2の都市アレクサンドリアの投票率が高かったことにより、賛成多数に傾いたとの見方を示した。
一方、地元の人権団体123団体でつくる選挙監視団は15日、有権者が脅されたり、理由がはっきりしないまま予定よりも早く投票が締め切られたりするなどの不正があったと報告。選挙管理委員会も、有権者に対する脅しや買収といった選挙違反の訴えがあったことを明らかにし、調査に乗り出すと表明した。
エジプトでは国民投票を前に大統領支持派と反対派の衝突が激化し、反対派は新憲法案に対して反対票を投じるよう呼びかけていた。