エジプト反大統領派、国民投票に参加へ ただし反対票を呼びかけ
カイロ(CNN) エジプトの新憲法案の是非を問う国民投票について、野党勢力で構成される「救国共同戦線」は12日、投票に参加する意向を示した。
救国共同戦線は国民投票の1カ月延期を求めているが、予定通り実施された場合は投票に参加し、反対票を投じるよう支持者らに呼び掛けた。また尊厳党のサバヒ党首も国民投票に参加する方針を示しているが、投票の公正な実施の確約を求めた。
すでに12日から在外投票が始まっているが、野党勢力は、新憲法案は宗教少数派や女性らの権利を適切に保護していないと主張している。
ただ、各党は国民投票への参加は表明しても、軍が政党間の対話を促すために設定した会合への参加には消極的で、12日に予定されていた会合は、多くの党が参加を辞退したため中止となった。
エジプトでは、ムルシ大統領が先月、大統領権限を強化し、一部権限を司法判断の対象外とする大統領令を発布したことに一部で反発が起きた。さらにイスラム組織系が多数を占める憲法起草委員会が新憲法案を大急ぎで作成して以来、大統領支持派と反対派との緊張が高まっており、首都カイロの大統領府の外などで、デモ隊や警察、ムルシ大統領支持派が時に激しく衝突し、死傷者も出ている。そのため、ムルシ大統領は国民投票の結果が出るまで、軍に逮捕権限を与える大統領令を出した。
エジプトの国民投票の結果は、北アフリカや中東の安定化に大きく影響することから、世界各国が成り行きを注意深く見守っている。