シリア高官、キューバなど3カ国訪問か アサド氏「亡命」で
(CNN) 事態打開の出口が依然見えないシリア内戦で、イスラエル紙ハーレツは5日、シリア外務省高官が最近、アサド大統領の親書を持ってキューバやベネズエラ、エクアドルを訪問、大統領や家族がシリア出国を迫られた場合、政治亡命を受け入れるかどうかの可能性を探ったと報じた。
キューバとベネズエラは反米路線を進め、左派政権のエクアドルも米国に対抗する政策を打ち出している。仮にアサド氏がエクアドルに亡命した場合、同国政府は訴追のため身柄を外国に送還することに抵抗するともみられる。エクアドルの駐英大使館は現在、亡命を求めた内部告発サイト「ウィキリークス」代表のジュリアン・アサンジュ容疑者を保護し、スウェーデンへの送還を拒否している。
ただ、米コロンビア大学の国際法専門家はキューバなど3カ国の反米政権が無期限に続くわけではないことを踏まえれば、アサド氏は3カ国に逃れることをためらうだろうとも分析。また、アサド氏は国内での非人道的ともされる反政府派弾圧の責任を問われることが確実で、米国務省のトナー副報道官は5日、記者団に亡命を受け入れた国はこの問題に対処する責務があると強調した。
キューバなど反米色が濃い3カ国がアサド氏の選ぶ亡命国として浮上した背景にはこの責任が回避出来るとの見立てが作用した可能性もある。