シリアのネット遮断、2日間で復旧 政府の関与濃厚
(CNN) 内戦が続くシリアで11月29日早朝からインターネットや携帯電話の接続がほぼ全面的に途絶えて政府の関与が指摘された件で、反体制派によると、12月1日には各地で接続が復旧した。
首都ダマスカスの住民もネット電話サービスのスカイプを通し、接続が復活したと話している。国営テレビは、ダマスカス郊外の主要送電施設に不具合が起きたが1日には修理が完了したと伝えた。
当初は9割遮断と伝えられたが、30日には政府サイトを除くほぼすべてのサイトが接続不可能となった。同国のネット・プロバイダーは国営の1社のみ。ネットセキュリティー会社のクラウドフレアは「シリア政府による遮断にほぼ間違いない」との見方を示していた。
情報当局は「テロリスト」がケーブルを切断したと説明したが、同社によると、国内外をつなぐケーブルは4本のみで、地下3本、地上1本のケーブルがすべて同時に切断されたとは考えにくいという。
反政府派も、政府が暴力の実態を外の世界から隠すためにネットを遮断したと主張。ネットや携帯電話が通じなくなると反政府派は無線での通信を余儀なくされ、政府側が盗聴しやすくなるとも指摘された。
米ネット大手グーグルはシリア国民向けの支援として、携帯電話から音声を吹き込めばツイッターで配信されるサービス「スピーク2(トゥー)ツイート」の提供を実施。ダマスカスの米大使館や反体制派も国民に同サービスの活用を促したが、携帯電話さえつながらなかったケースも多く、一時は同国からの情報の流れがほとんど途絶えた。