ムルシ大統領、権限強化を撤回 国民投票は延期せず
カイロ(CNN) エジプトのムルシ大統領は8日、自身の権限を強化する大統領令を撤回すると表明した。一方、新憲法案の是非を問う国民投票は予定通り15日に実施する方針を示している。大統領顧問のアワ氏が明らかにした。
ムルシ大統領は先月、新憲法制定までの間、大統領令を司法判断の対象から除外すると宣言した。その撤回を求め、首都カイロ中心部のタハリール広場などで大規模な抗議デモが起きている。エジプト当局によると、少なくとも6人が死亡。大統領の出身母体、ムスリム同胞団は、メンバー8人が死亡したと発表した。
大統領は8日、事態収拾を目指し、大統領府で野党側と協議した。一部野党は大統領への反発から、この協議への参加も拒否した。
協議に出席した弁護士によると、大統領はこの中で権限強化を定めた大統領令の修正に応じる姿勢を示した。詳細についてはさらに会合が開かれることになったという。大統領は一方で、野党側が求める国民投票の延期には応じない立場を貫いている。