反体制派の自由シリア軍、「内紛」収める統合司令部で合意か
(CNN) シリアのアサド政権軍と戦う反体制派武装組織「自由シリア軍」は9日までに、同国の全県で文民、軍事両部門の指導者を任命することで暫定的な内部合意が得られたと発表した。
これら指導者を束ねる統合司令部的な役目を持つ全国規模の評議会を発足させる。評議会結成で一層の国際支援の取り込みなどを狙っているとみられる。
自由シリア軍はこれまで指揮系統などが異なる武装勢力の集合体とされ、内部結束に問題があるとの指摘があった。同軍の報道担当者によると、各勢力間の話し合いで文民、軍事両部門の評議会指導者を全県で任命することで7日に暫定合意した。
自由シリア軍によると、評議会の構成員数は新たに指名される参謀長と副参謀長を含め全土で計30人。評議会メンバーは全員シリア人で、多数が国内で闘争を続ける者としている。
同軍の報道担当者は、評議会結成は高等軍事評議会の発足へ向けた1歩とも説明した。評議会設立は、シリアの新たな反体制派統一組織「シリア国民連合」の誕生を受けた措置ともなっている。
国民連合は今年11月に発足し、支援物質などの受け皿となり、反体制各派を統合した軍司令部の上部組織になるとも期待されている。
国民連合については英国とフランスがシリア国民を代表する合法組織として認知。米国はモロッコで週内に開催されるシリア反体制派支援の有志連合の会合で正式認知へ向けた最初の措置を打ち出す見通し。会合にはクリントン米国務長官が出席する。