「ニューデリーは女性に危険」 バス強姦事件で露呈した実態
女性に対する偏見は、インド社会に根強く残る家父長制に起因するとの見方もある。子どもは女の子よりも男の子の方が望まれ、6歳までの子どもの男女比率は2011年の統計で、男の子1000人に対し女の子は914人と、10年前の927人に比べてさらに減った。
性別を理由とした人工妊娠中絶は禁止されているにもかかわらず、不法営業のクリニックなどが手術を行っているのが実態だ。
法律の専門家は地元紙に寄せた寄稿で、法律だけでは女性に対する偏見はなくならないと指摘、「法律を増やしたところで対策を講じたという気になるだけで、実際には何もしていないも同然だ。最悪の事件という形で露呈された憎悪に対峙(たいじ)するため、社会として前進しなければならない」と訴えている。