ブラヒミ特別代表がシリア大統領と会談 「反体制派がガスで死亡」の情報も
(CNN) 国連とアラブ連盟の合同特使を務めるブラヒミ特別代表は24日、シリアの首都ダマスカスを訪問し、アサド大統領と会談した。
会談を終えたブラヒミ氏は記者団に対し、「今後取り得る措置について意見を交わした」と語り、シリア国民の危機脱却を支援するために取るべき措置などについて話し合ったと説明。「シリアの状況は依然として深刻だ。シリア国民の望む解決策をすべての関係者が受け入れることを期待する」と述べた。
ブラヒミ氏は特使に任命された8月以来、数度にわたってダマスカスを訪問。10月には政府と反体制派の停戦調停に当たったが、数時間のうちに大規模な戦闘が起きて停戦が破られた。
一方、ロシア国防相は同日、ロシアがシリアに特殊部隊を派遣すると報じられたことについて、「特殊部隊をロシアの軍艦に乗せて(シリアに)派遣するという決定はなされていない」と強調。防空システムの技術者を派遣するという報道についても「馬鹿げたメディアの憶測だ」と一蹴した。
反体制派の地域調整委員会によると、シリアでは24日も子ども21人を含む少なくとも156人が死亡した。シリア人権監視団は、中部ホムスで反体制派の6人が23日夜、白い無臭のガスを吸って死亡したと述べ、「ガスは政府軍の兵士が円筒爆弾を投げた後に放出され、一帯に拡散した」と話している。ガスを吸った人はひどい頭痛や発作に見舞われたという。同監視団は赤十字国際委員会に対し、事実関係の調査を要請した。
反体制派によると、同国中部のハルファヤ村では23日、パン屋が戦闘機に空爆されて、少なくとも109人が死亡している。同地ではそれまで1週間の間、パンの原料不足に見舞われていたが、22日になって人道支援物資が届き、23日はパン屋の前に行列ができていた。
事態を受けてトルコ政府は24日、シリアに小麦3万7000トンを援助すると発表した。