パキスタン政権が5年の任期満了、同国民主政権で初
イスラマバード(CNN) パキスタンの与党パキスタン人民党率いる連立政権が18日までに、5年の任期を満了した。民主選挙で選ばれた政府が任期をまっとうしたのは、同国65年の歴史上、初めてとなる。
同国は建国以来これまでに3度の軍事クーデターを経験し、歴史の半分は軍政に支配され、政治的混乱は今も絶えない。
アシュラフ首相は任期満了となる16日の夜、国民に向けた演説で「任期満了は素晴らしい歴史的偉業だ」と評価、これまで民主勢力と非民主勢力が対立する歴史が繰り返されてきたが、ようやく民主主義が勝利を収めたと指摘した。
次の議会総選挙は5月に予定されており、数日中に暫定政府が発足する。
前回選挙は2008年2月に実施され、ムシャラフ前大統領に対する国民の失望に後押しされる形でパキスタン人民党が連立政権を発足させた。しかしこの5年の間にも汚職疑惑が浮上しては閣僚が交代を繰り返し、連立政権は内部の対立から数カ月ごとに崩壊寸前の状況に追い込まれてきた。
国民生活では停電や食料不足といった問題が未解決のまま残る。依然としてテロ事件は後を絶たず、少数派のイスラム教シーア派を狙った犯行は増加の一途をたどる。
それでもアシュラフ首相は「我々は豊かな生活をもたらすことはできなかったが、この国の問題を和らげるために全力を尽くそうとしてきた」と強調した。