「亡命」のパキスタン前大統領、総選挙出馬を宣言 帰国も
(CNN) 英国などで事実上の亡命生活を送っていたパキスタンのペルベズ・ムシャラフ前大統領は16日、今月24日に帰国し、自ら結成した新党を率いて5月に予定される議会総選挙に臨む考えを明らかにした。政治活動の本格的な再開を宣言した形となっている。
前大統領はブット元首相暗殺事件への関与などが疑われ、大統領を退任した2008年以降、ロンドンやドバイなどに生活拠点を置いてきた。パキスタン当局は昨年8月、ムシャラフ氏の資産没収や銀行口座凍結の措置にも踏み切った。地元メディアによると、検察当局者などは同氏が帰国すれば即座に逮捕されると主張している。
ムシャラフ氏の帰国に対する国民の反応や現政権の対応は明らかでない。
同氏は声明を発表し、民間航空会社の便でパキスタン・カラチに帰国し、支持者5万人が参加する集会に出席すると述べた。この集会には、米国やカナダ、英国、アラブ首長国連邦(UAE)に居住するパキスタン人200人以上も加わるとしている。
07年に起きたブット元首相暗殺事件では、当時のムシャラフ大統領がブット氏が多数の脅迫などを受けていたにもかかわらず十分な警護を講じなかったとの批判が生まれていた。ムシャラフ氏は暗殺事件への関与を否定している。
同氏は、陸軍参謀長時代の1999年、クーデターを起こして政権を奪取し、大統領に就任していた。