イラン戦闘機、ペルシャ湾で米無人機を「威嚇」 発砲なし
(CNN) 米国防総省は17日までに、中東ペルシャ湾の公海上空で通常の諜報(ちょうほう)活動に当たっていた米国の非武装無人機プレデターに対しイランの戦闘機1機が接近するなどの「威嚇行動」を示したと発表した。
米軍機がペルシャ湾周辺上空で実施する情報収集活動に対するイランによる新たな妨害例となっている。
米国防総省のリトル報道官によると、イランのF4型戦闘機のけん制行動があったのは12日。無人機は米軍機2機の護衛を受けており、イラン機は口頭での警告を受けた後、離れていったという。発砲などの発生はなかった。護衛の米軍機2機は終始、公海上空を飛行していたという。
無人機とイラン戦闘機の距離は一時、約26キロまで縮まっていた。オバマ米政権当局者はCNNに、イランによるこの種の行動の裏にある意図をいぶかり、予期せぬ敵対行動の発生につながりかねないことへの懸念を示した。
イランは2011年12月、同国の核開発計画に関する米中央情報局(CIA)関連の諜報活動を行っていた無人機センチネルが墜落した後に機体を回収。12年11月にはペルシャ湾上空でイラン戦闘機が無人機プレデターに発砲する事件もあった。この事件後、米国はイランに対し長年の作戦行動でもある公海上の監視飛行は続行すると通告していた。
イラン領土近くでの米無人機の利用は米軍の情報収集活動でも高度の機密事項となっている。無人機は搭載のセンサーを使い、イラン軍の動向を探知する性能を持つ。