エジプト各地で激しい衝突 死傷者多数
カイロ(CNN) エジプト全土で16日に展開されたデモで、ムルシ前大統領支持派と治安部隊が各地で激しく衝突した。
ムルシ前大統領の支持母体、ムスリム同胞団の支持者を中心とする数千人のデモ隊が暫定政府の外出禁止令を無視し、カイロ市内のラムセス広場や通りに集結する一方、政府も兵士や装甲兵員輸送車(APC)を同広場や周辺の通りに配置した。
衝突は16日午後、イスラム教の集団礼拝後にデモ隊がムルシ前大統領の復帰を要求し、街頭に繰り出したのをきっかけに始まった。
しかし、死者数の情報は錯そうしている。国営紙アルアハラムは、ラムセス広場近くのムスリム同胞団が支援する野戦病院の医師の話として、これまでに54人が死亡したと報じたが、エジプト国営ナイルテレビは、17人が死亡、40人が負傷したと伝えている。
エジプト北部では、ナイルテレビが医療当局者の話として、アレクサンドリアでムルシ支持派と軍が衝突し、少なくとも16人が死亡、140人が負傷したと伝えたが、アルアハラムは地元の保健省当局者の話として、死者は21人と伝えている。
またアルアハラムによると、スエズ近くでも、16日遅くに政府軍の兵士が外出禁止令発令後に広場で座り込みをしようとしていたムルシ支持派のデモ隊を攻撃したという。今のところ犠牲者の報告は入っていない。
さらに北東部イスマイリアや、ナイル川デルタ地帯の都市タンタやダミエッタでも外出禁止令発令中にムルシ支持派と住民が衝突したという。