エジプト、「怒りの金曜」デモ予告 死者580人に
カイロ(CNN) エジプトで起きた治安部隊とデモ隊の大規模な衝突で、15日までに580人の死亡が確認された。ムルシ前大統領の支持母体、ムスリム同胞団は、16日に「怒りの金曜日」と名付けたデモ行進を呼びかけ、首都カイロ一帯で反政府デモや大規模集会を開くと予告している。
治安部隊は14日にムルシ氏を支持するデモ隊の強制排除に乗り出した。エジプト保健省によると、この衝突による負傷者も4000人を超えている。
エジプト暫定政権は、治安部隊が発砲したのは自衛のためだったと主張。多数の犠牲者が出た責任はデモ隊の側にあると主張している。駐英エジプト大使は「エジプト政府および警察は公衆の利益を守り、国民を守る義務を果たした」「48日間も区画を占拠し、民間人の外出や通勤通学を妨げる行為はいかなる社会でも許されない」と強調した。
一方、ムスリム同胞団は15日、暫定政権の行為を大量殺戮と形容し、「民主主義と正当な支配が復活するまで、エジプト全土で座り込みとデモを続ける」と宣言した。
国営メディアによると、ムルシ氏支持派のデモ隊は、ナスルシティーでの座り込み、観光名所のピラミッド周辺の道路の封鎖、ギザの政府庁舎襲撃などを行っているという。
内務省は、政府庁舎や治安部隊がこれ以上襲撃された場合は警察が実弾を使用すると発表した。