治安部隊がデモ隊強制排除の構えか、カイロで緊張高まる
カイロ(CNN) エジプトの首都カイロで座り込みを続けるムルシ前大統領支持派のデモ隊に対し、暫定政権が強制排除作戦を実施するとの観測が流れ、緊張が高まっている。
カイロ東部のモスク(イスラム礼拝所)前やカイロ大学構内では、ムルシ氏が解任された7月初め以降、同氏の支持者らが大規模な座り込みを続けている。
これに対し、治安部隊がイスラム教のラマダン(断食月)明けに排除作戦に踏み切るとの情報が流れた。メディアは作戦が12日に実行されると伝え、デモ隊も土のうやタイヤでバリケードを強化したが、治安部隊に目立った動きはなかった。
暫定政権の内務省報道官は「事態が交渉によって平和的に収拾するよう願っている」と述べ、流血は避けたいとの立場を示した。一方で、当局がデモ隊排除に向け、ただちに行動を取れる態勢にあることを強調した。
ムルシ氏の支持派は同氏の復権を求めている。座り込み現場では参加者らがテント生活を続け、日用品を売る屋台や子どもたちの遊び場も出現した。暫定政権側は、デモ隊が子どもを「人間の盾」にしていると非難するが、ある母親は「子どもを家に置いてここで生活するわけにはいかない」と主張した。別の参加者は「治安部隊がやって来ても構わない。私たちは平和的に行動しているので、困惑するのは向こうだろう」と語った。