エジプト、衝突拡大で非常事態宣言
カイロ(CNN) 14日に起きたエジプト治安部隊とムルシ前大統領支持派のデモ隊の衝突による死者は、民間人235人を含む少なくとも278人に上った。国営テレビがエジプト当局の話として伝えた。暫定政府のイブラヒム内相によれば、警察官も43人が死亡。ムバラク政権を倒した2年前の政変以来、最悪の事態となった。
国営テレビによると、暫定政府は同日、1カ月間の非常事態を宣言した。カイロやアレクサンドリア、ギザ、スエズなどの各地には、15日午前6時までの夜間外出禁止令が出されたが、この日も散発的な衝突が続いている。
国営テレビは15日、ムルシ氏支持派が外出禁止令を無視して警察や病院、政府庁舎などを襲撃していると伝えた。カイロやギザでは治安部隊の配備が強化され、証券取引所はこの日の取引を中止、銀行も閉店した。
ムルシ氏の出身母体、ムスリム同胞団を中心とする支持派は、軍が同氏を解任して以来、数万人がカイロで野営して抗議の座り込みを続けてきたが、14日に治安部隊が野営地の強制排除に乗り出した。
ムルシ氏支持派は、平和的な抗議デモに対して治安部隊が全面攻撃してきたと非難。一方、暫定政権側は治安部隊がムスリム同胞団に襲撃されたと述べるなど、双方の主張は真っ向から対立している。