タイで拘束のウイグル人、中国に送還されれば「拷問の危険」 国連が中止要請
(CNN) タイで10年以上も拘束されているウイグル人男性48人を中国に強制送還する計画が伝えられたことを受け、国際社会がタイに対する圧力を強めている。
国連の専門家は21日、ウイグル人送還の計画を即刻中止するようタイに要請。「もし送還されれば、拷問などの残忍で非人道的、あるいは屈辱的な扱いや罰を受ける真の危険にさらされる」と指摘した。
48人は2014年以来、タイの首都バンコクで拘束されている。しかし強制送還に反対して今月10日からハンストを続けているという声がウイグルの活動家を通じて伝えられたことをきっかけに、懸念が強まった。
ウイグル支援の活動家によると、男性たちは21日現在もハンストを続けているという。
48人は11年前、中国での迫害を逃れようと国境を越えてタイに入り、拘束された。当時拘束されたのは、女性や子どもも含めて約350人だった。新生児や3歳児を含む5人は拘束されている間に死亡した。
人権団体は48人について、弁護士や家族とも面会できず、不衛生で治療も受けられない劣悪な環境に置かれていると指摘する。
現地メディアによると、タイ当局はウイグル人強制送還の計画を否定している。
中国外務省は22日、「これは二つの主権国家の司法協力にかかわる問題だ」と強調。外務省報道官は定例記者会見で国連に対し、「無責任な発言をするよりも、加盟国の司法主権に対する干渉を慎むべき」だと述べた。
タイ政府に対しては米新政権も圧力をかけている。マルコ・ルビオ国務長官は21日の就任を前に米上院で行われた人事承認の公聴会で、ウイグル人男性を強制送還しないよう、タイ政府に働きかけると語った。