中国人俳優、タイで拉致され詐欺拠点に一時監禁 同様の被害多数

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ミャンマーの詐欺拠点から救出された後、タイ警察と言葉を交わす王星さん(右)/The Royal Thai Police/AP

ミャンマーの詐欺拠点から救出された後、タイ警察と言葉を交わす王星さん(右)/The Royal Thai Police/AP

香港/バンコク(CNN) 中国人俳優の王星さん(31)が今月、訪問先のタイで拉致され、ミャンマーにあるサイバー詐欺の犯罪拠点に監禁された。王さんは数日後に救出されたが、現地では数千人の中国人が同じように拉致され、行方不明のままになっているとみられる。

王さんは映画の仕事のつもりでタイの首都バンコクを訪れたが、空港で迎えの車に乗せられ、ミャンマーの都市ミャワディにある詐欺の拠点へ運ばれた。

タイ側の国境付近で消息を絶ったと報告されたが、数日後の7日、タイ警察がミャワディで保護し、タイに連れ戻したと発表した。

王さんは3日間の監禁中に丸刈りにされ、眠れないまま恐怖の中で過ごした。訓練の第一段階と称して、タイプ入力の練習をさせられたという。

内戦が続くミャンマーをはじめ、東南アジア各地で近年、中国の犯罪組織などが運営する詐欺拠点が急増。そこへ人身売買の被害者数十万人が送り込まれ、厳重な警備のなかで詐欺への加担を強いられてきた。高収入の仕事と偽って誘い込まれるケースも多い。経験者によると、内部では暴力や拷問が横行しているという。

王さんの無事な帰国が報じられると、中国ではこうした詐欺拠点で監禁中とみられる被害者の家族が、政府に迅速な対応を求める運動に乗り出した。中には数年前に消息を絶った人もいる。

中国のSNSでは、行方不明者174人の家族からの陳情が拡散した。本人の詳細を記入する表がオンラインで共有され、これまでに1200人分を超える書き込みがあった。

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