生徒の転落死めぐり抗議デモ、警官と衝突 中国・陝西省
(CNN) 中国内陸部の陝西省蒲城県にある職業学校の寮で起きた生徒の転落死をめぐり、当局の隠ぺいがあったと非難するデモ隊が暴徒化し、警察と衝突した。
CNNが確認済みの現場映像には、学校前で機動隊と衝突するデモ隊が映っている。警官にこん棒などを投げ付ける参加者もいた。
ドアに消火器が投げられてガラスが割れたのに対し、警察が一部の参加者を殴ったり、投げ倒したりする場面もあった。
この学校では2日、3年生に在籍していた10代の男子生徒が死亡した。県当局は事故で事件性はないと説明したが、隠ぺいがあったとの説がSNS上で拡散した。
国営メディアが先週末、当局の話として伝えたところによると、男子生徒は学生寮で安息を妨害されたとして1年生の生徒とけんかになった。学校の職員がこれを仲裁したが、午前3時ごろ寮のトイレにいった別の生徒が、窓の下に置いてある木製の椅子を発見。窓の引き戸は開いていて、金属製の網が取り払われ、外の地面に男子生徒が転落していたという。
これに対して米国を拠点とする人権団体、ヒューマン・ライツ・イン・チャイナは、男子生徒の部屋に争った形跡があり、屋根から突き落とされた可能性がうかがえると指摘。遺族も当局の説明を否定し、本人の携帯電話の写真が削除されていたと主張した。
週明けの6日に始まった抗議デモが、週末も続いたかどうかは明らかでない。
中国では2022年末、当局の新型コロナ対策に抗議する大規模なデモが起きてから、当局が市民の抗議行動に神経をとがらせている。