台湾、中国のスパイ容疑による摘発が急増 昨年は64人起訴

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台湾の国家安全局が、中国の対台湾浸透工作についての報告書を発表した/Sam Yeh/AFP/Getty Images

台湾の国家安全局が、中国の対台湾浸透工作についての報告書を発表した/Sam Yeh/AFP/Getty Images

(CNN) 台湾の国家安全局(NSB)は12日、中国による威嚇が激化する中、台湾では近年、中国のためにスパイ活動を行ったとして起訴された人の数が「大幅に増加」していると明らかにした。

NSBは12日に発表した報告書で、中国のスパイ活動で起訴された人の数は近年急増し、2021年の16人から24年には64人に上ったと述べた。

報告書によると、起訴された64人のうち15人は退役軍人で、28人は現役の軍人。潜入先には軍隊、政府機関、地域の関連組織が含まれるという。

安全保障当局の高官はCNNに対し、昨年の起訴件数は過去10年で最高だったと語った。

報告書は「中国共産党は人民を取り込んでネットワークを構築したり、政府の機密情報を収集したりするためにさまざまな経路と手段を使用してあらゆる階層に入り込み続けている」と述べている。

中国は近年、台湾に対する圧力を強めており、大規模な軍事演習をより頻繁に実施。「グレーゾーン戦略」(戦争の範囲に至らない行為)の展開の可能性について警告を発している。

台湾当局は今月に入り、中国船が通信用海底ケーブルを損傷させた疑いがあると述べている。これはいわゆる「グレーゾーン作戦」で中国が悪用する可能性のある脆弱(ぜいじゃく)性に対する台湾の懸念を浮き彫りにしたかたちだ。

中国はまた、昨年12月に数十年で最大規模の艦隊を周辺海域に展開した。これには中国海軍および海警局の複数の艦艇編隊が含まれていた。

台湾の安全保障機関は長年、中国による台湾軍への潜入やスパイ活動、特に国家機密と引き換えに軍の士官らを買収する試みの増加について警告してきた。

最新の報告書によると、台湾当局は対諜報(ちょうほう)能力が向上し、中国によるスパイ活動が疑われる事案をより多く発見できるようになったという。

報告書によると、中国工作員は犯罪組織や地元の寺院との接触を試み、台湾の軍人や中国寄りの団体を募るための地下銀行を設立しようとしたとされる。

一方で、中国国内および海外の諜報および防諜(ぼうちょう)を監督する中国国家安全保障省(MSS)も以前に台湾がスパイ活動を行っていると非難している。

同省は昨年8月、近年1000件を超える台湾のスパイ活動を摘発し、多数のスパイ網を解体したと発表した。

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