台湾政府、トランプ氏宛ての書簡を元当局者に渡す 16年選挙後の電話会談とは対照的
(CNN) 台湾政府が今週、非公開の昼食の場で、第1期トランプ米政権の当局者にトランプ次期大統領宛ての書簡を渡したことが分かった。事情に詳しい情報筋2人が明らかにした。
静かな接触は、2016年の大統領選後にトランプ氏と台湾総統の間で行われ、物議を醸した電話会談とは対照的だ。この電話は数十年続いた米国の台湾政策を覆すもので、世界に衝撃が走った。
どちらの事例も、次期大統領に祝意を伝えるという目的は似通っている。ただ、今回の異なるアプローチは、台湾や多くの国が過去とは異なる方法でトランプ氏に接触を図っていることを浮き彫りにした。
トランプ政権の元当局者の1人は「前回は一部に、台湾がトランプ氏を利用して電話に呼び出し、次期大統領は『一つの中国政策』を尊重して台湾とは話をしないという数十年続いた米国の政策を覆したとの見方があった」と説明した。
ただ、対照的な接触の仕方からは、トランプ氏の政権移行チームが移行期間中のトランプ氏と世界の首脳の会話について、より慎重な姿勢を取っていることもうかがえる。
事情に詳しい情報筋によると、トランプ氏は今週の大統領選に勝利して以降、今のところ台湾政府と直接連絡を取っていない。ただしトランプ政権の元当局者は、移行期間中に台湾総統とトランプ氏の電話会談が行われる可能性もあると言い添えた。
事情に詳しい情報筋3人によれば、第1期トランプ政権で国家安全保障担当の大統領補佐官を務めたロバート・オブライエン氏が7日、ソルトレークシティーで台湾の兪大㵢駐米代表、米国のクリス・スチュワート下院議員と昼食を取りながら会談した。この昼食の際に書簡が渡され、後にトランプ氏に共有されたという。