エジプト、衝突拡大で非常事態宣言
暫定政府のベブラウィ首相は、安定を維持するためにやむを得ず行動に出たと述べ、反政府陣営の野営地には武器や砲弾があったと主張して、治安部隊の対応を称賛。「我々は正義に基づく民主主義を確立する」と力説した。
一方、国営テレビによると、世俗派を率いてきたエルバラダイ外務担当副大統領は14日、政府によるデモ隊の弾圧に抗議して辞表を提出した。
欧州連合(EU)のアシュトン外交安全保障上級代表は、エジプト治安部隊に自制を求めるとともに、暫定政権に対してできる限り早期に非常事態宣言を解除するよう促した。
米政府当局者によれば、今回の事態を受けて米国は、来月に予定していたエジプト軍との合同軍事演習を中止する検討に入った。ケリー米国務長官は14日、エジプト政府に対して「基本的人権の尊重」を求めると述べ、今回の事態に遺憾の意を表明。「暴力への道はさらなる混乱と経済の壊滅を招く」と指摘した。