シャンパンの売り上げが全世界で低迷、理由は「乾杯」する気にならないから

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世界的にみて、シャンパンの売り上げが減少していることがわかった/Nathan Laine/Bloomberg/Getty Images

世界的にみて、シャンパンの売り上げが減少していることがわかった/Nathan Laine/Bloomberg/Getty Images

ニューヨーク(CNN) シャンパンの売り上げが全世界で低迷している。人々が「乾杯」する気分にないためだ。1万6000人以上のワイン生産者と320のシャンパンハウスを代表する業界団体「シャンパーニュ委員会」の報告書で明らかになった。

フランスからのシャンパンの出荷本数は昨年、約10%減の2億7100万本となり、2年連続で減少した。インフレ疲れによる消費者の節約志向や、世界全体に漂う停滞ムードの影響を受けたかたちだ。

シャンパーニュ委員会は、他のアルコール飲料の販売と同様に厳しい業界の状況を示している。

同委員会の共同会長であるマキシム・トゥバール氏は、「インフレ、世界的な紛争、経済的不確実性、シャンパンの主要市場での政治的な停滞が続く中、今は祝う時期にない」と率直に述べた。主要市場には米国やフランスが含まれる。

フランス国内のシャンパン消費も7%減少し、1億1800万本に落ち込んだ。報告書は、「国内市場は依然として、政治的・経済的な暗い状況に直面している」と述べている。フランスでは昨夏、総選挙が行われ、過半数を占める政党のいない議会が生まれた。

フランスのラグジュアリーブランド大手LVMHは昨年7月、2024年がシャンパン業界にとって厳しい年になることを最初に示唆していた。同社は同年上半期のシャンパンの売り上げが15%減少したと報告している。

LVMHは世界最大規模のシャンパン生産者であり、「ドン・ペリニヨン」「ヴーヴ・クリコ」などのブランドを所有している。

さらに、フランスのシャンパーニュ地方は高温や早霜などの異常気象にも苦しめられている。その結果、21年の収穫量は1957年以降最低となった。このような状況に対応するため、「テルモン」のようなシャンパンハウスは環境に配慮した農業を取り入れ、環境意識の高い顧客を引きつけようとしている。

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