空港での飲酒は2杯までに制限を、欧州最大手ライアンエアーが提言
(CNN) 欧州最大の航空会社ライアンエアーは、酔った乗客が機内で起こす騒ぎを最小限に抑えるため、欧州の空港でアルコール飲料の販売を制限するよう求めている。
ライアンエアーは13日、欧州連合(EU)に対し、免税品の販売と同じように搭乗券を使って乗客を確認し、空港での乗客の飲酒を1人2杯までに制限することを提案した。
便に遅れが出た場合、乗客は空港で購入や消費の制限がないまま過剰にアルコール飲料を摂取しているとライアンエアーの広報は指摘。「空港で乗客の飲酒を2杯までに制限しない理由が分からない。制限を導入すれば、乗客の機内での行動が改善されて安全性が高まる」とした。
ライアンエアーは昨年4月にアイルランド発スペイン行きの便の機内で騒ぎを起こした乗客に対し、法的措置を講じている。
同社は先週、この乗客に1万5000ユーロ(約240万円)の損害賠償を請求したことを明らかにした。この乗客の行為のために同便は行き先の変更を強いられ、大幅な遅れが出て160人の乗客に不必要な迷惑をかけたとしている。
同社のマイケル・オライリー最高経営責任者(CEO)は昨年8月、英紙デイリー・テレグラフの取材に対し、飲酒が原因で暴れる乗客が増えているとして、空港での飲酒を2杯までに制限するよう訴えていた。
機内で暴れる乗客はここ数年で増加している。国際航空運送協会(IATA)の集計によると、2023年は乗客の問題行動が480便につき1件の頻度で発生。22年は568便につき1件の頻度だった。そうした騒ぎの多くが飲酒絡みだったとIATAは指摘している。
ライアンエアーによれば、航空各社は既に、特に乗客の問題行動が絡むケースでは機内でのアルコール飲料の販売を制限しているという。