1兆ドル長者、10年以内に5人誕生か NGO報告書
(CNN) 現在の傾向が続いた場合、5人の人物が今後10年以内に少なくとも1兆ドル(約155兆円)の資産を持つ可能性があることがわかった。国際NGOオックスファムが19日に公開した「不平等」をめぐる年次報告書で明らかになった。
電気自動車(EV)テスラや宇宙企業スペースXで最高経営責任者(CEO)を務めるイーロン・マスク氏の場合、5年以内にこの大台を超える可能性がある。マスク氏は世界一の富豪で、現在の資産は4300億ドル超。
マスク氏に続くとみられているのが、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏、オラクル創業者ラリー・エリソン氏、メタのマーク・ザッカーバーグCEO、LVMHのベルナール・アルノーCEOと一族。
オックスファムの今回の報告書は米経済誌フォーブスのデータを基にしたもので、スイスで開幕する世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)にあわせて発表された。
オックスファムによれば、2024年は米国の株式市場の高騰などのおかげで、世界で最も裕福な個人や家族にとって非常に実入りの良い年となった。富裕層の純資産があまりに急激に増加したため、オックスファムは昨年の予測を修正した。昨年の予測では、今後10年間で誕生する1兆ドルを保有する富豪は1人だけだった。
「ビリオネア(最富裕層)」は昨年200人あまり増えて、約2770人となった。
こうした富裕層の資産は、2兆1000億ドルと前年比3倍の速さで増加し、総額は15兆ドルに達した。米国だけでもビリオネアは816人おり、その純資産は1兆4000億ドル増加した。
オックスファムによれば、資産家の上位10人のいずれも、もし資産の99%を失ったとしても、その人物は依然としてビリオネアのままだという。
一方、報告書は世界銀行のデータを基に、貧困状態にある人の数は1990年とほぼ同水準だと指摘した。
オックスファムによれば、ビリオネアの資産の3分の1以上が相続によるものだという。23年には、相続によって資産を形成したビリオネアの人数が、起業を通じて富を築いたビリオネアの人数を初めて上回っていた。加えて、30歳未満のビリオネア17人全員が資産は相続したものだった。