エジプト、各国が暫定政権を非難
カイロ(CNN) エジプト暫定政権がデモ隊の強制排除に乗り出し多数の死傷者が出たことに対し、各国が非難を強めている。国連安全保障理事会はニューヨークの国連本部で15日夜に緊急会合を招集。オバマ米大統領は、来月予定していたエジプトとの合同軍事演習を中止すると発表した。
オバマ大統領は、エジプト暫定政権が平和的な対話を通じた解決を模索せず、暴力と恣意的な拘束を選んだと非難。暫定政権が14日に発令した1カ月の非常事態宣言も解除するよう求めている。
大統領は合同軍事演習の中止について、民間人が殺害されている中で、これまでのような2国間の協力関係を継続することはできないと警告。米国防総省のリトル報道官も、今回の中止はエジプト情勢に対する米政府の強い反発を示していると語った。
ピレイ国連人権高等弁務官は、「デモ隊に対する過剰な武力の行使」があったと指摘し、独立した立場からの調査が必要だと訴えた。
トルコ、ドイツ、フランスなどの各国は駐エジプト大使を召還。デンマークはエジプトに対する経済援助の中止を表明した。年間約16億ドルを援助している米国も、国務省のサキ報道官が15日の会見で、計画の見直しを検討していることを明らかにした。