「歴史の岐路」を迎えた、ウクライナ情勢めぐり各国首脳が会合 英
ロンドン(CNN) 英国のスターマー首相は2日、首都ロンドンで開催されたウクライナ情勢をめぐる会合で、欧州の首脳らに対して、西側諸国は「歴史の岐路」を迎えているとの認識を示した。ロシアとウクライナとの戦争をめぐり、ウクライナ政府と米政府との関係がこじれるなか、欧州は停戦交渉をめぐる主導権を米国から切り離し、共同戦線を提示しようとしている。
スターマー氏は「今は、これ以上話すときではない。行動の時だ」と訴えた。
ロンドンの華やかなランカスターハウスで開催された首脳級の会合の緊急性は高まっていた。会合の前には、米国のトランプ大統領が大統領執務室で会談したウクライナのゼレンスキー大統領に対する批判を展開し、西側諸国を驚がくさせる一方、ロシア政府を喜ばせていた。ゼレンスキー氏と欧州の首脳は、戦争に関する不安が高まるなか、会合に出席した。
スターマー氏は記者団に対し、フランスや一部の国々とともに停戦のための計画を策定し、それを米国側に提示する考えを明らかにした。
フランスのマクロン大統領は仏紙フィガロの取材に対し、そうした計画の概要を明らかにし、仏英が1カ月間の限定的な停戦を提案する考えを示した。
マクロン氏によれば、フランスと英国による停戦の初期段階では1カ月にわたって「空と海、エネルギーインフラでの停戦」が含まれる。第2段階では地上部隊が参加することになるという。
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2日、ロンドンで開催されたウクライナ情勢をめぐる会合で話すフランスのマクロン大統領(左)と英国のスターマー首相/Toby Melville/Pool/AFP/Getty Images
こうした停戦案は、トランプ政権が先月ロシアとの間で開始した停戦交渉と対立することになりそうだ。こうした動きは、トランプ氏とゼレンスキー氏を一緒に交渉の場につかせることで緊張が再び高まる可能性があることを暗に認めているようだ。
スターマー氏は2日の記者会見で、それでも米国の支援が必要だと改めて指摘した。トランプ氏とゼレンスキー氏との異例の口論は欧州を驚かせたが、スターマー氏は米国について「信頼できない同盟国ではない」と主張した。
欧州各国は今回の会合が停戦交渉をめぐる機運の向上につながってほしいと考えている。停戦交渉をめぐっては段々と動きが出てきたとみられていたが、先月末の米ウクライナ首脳の数分間の衝突によって瓦解(がかい)していた。