英首相がマスク氏の「うそ」に反論、児童性的虐待事件めぐり 各国指導者も内政干渉に困惑
ロンドン(CNN) 英国のスターマー首相は6日、同国で児童への性的虐待を行った集団に関する「うそや誤情報を広めている」人々を批判した。米実業家イーロン・マスク氏が巻き起こしたネット上の騒動に応えた形だ。
スターマー氏は記者団に対し、「うそや誤情報を可能な限り広く広めている人々は、被害者に興味があるのではなく、自分自身に興味があるのだ」と語った。
X(旧ツイッター)を所有するマスク氏は、同プラットフォームを利用して数日間にわたり、イングランドの一部で過去に長年続いた児童性的虐待を蒸し返した。
マスク氏はXでフィリップス政務次官の収監を求め、同氏を「邪悪な生き物」などとののしった。スターマー氏についても収監されるべきだと投稿している。
スターマー氏は「威嚇や暴力の脅しをあおり、メディアがそれを増幅することを期待するというこうした手法をこれまでに何度も見てきた」とし、「極右の弊害がフィリップス氏や他の人たちに深刻な脅威をもたらす場合、私の考えでは一線を越えたことになる」と述べた。
マスク氏は、スターマー氏が検察局長時代に性的虐待を行った集団を阻止できなかったことで「英国のレイプに共謀した」と非難した。スターマー氏は6日、検察局長としての自身の実績を断固として擁護。被害者の声が届かなかった「アプローチ全体」を変え、「児童性的虐待事件の起訴件数が過去最多」だったと反論した。
2014年の報告書によると、1997年から2013年の間にイングランド北部の町ロザラムでは約1400人の児童が性的虐待を受けていた。極右勢力は長い間この事件を利用しており、加害者集団の大半が南アジア系であると指摘している。