世界のがん患者、今後20年で1.5倍に WHO
新たにがんと診断される患者数が最も多いのは肺がんで、がん全体の13%を占め、年間180万人に上っている。死亡率も肺がんが最も高く、がんによる死亡例の約5分の1を占める。肺がんの主な原因とされる喫煙を避けることが予防につながると、専門家らは指摘する。
米国では50年前に医務総監がたばこと肺がんの関連を認めてから、40%を超えていた成人の喫煙率が19%前後まで下がった。一方アジア、アフリカ諸国の喫煙率は依然として高く、中国では世界のたばこの3分の1が消費されている。
肺がんに次いで患者数が多いのは乳がん(年間170万人)と大腸がん(同140万人)、死亡例が多いのは肝がんと胃がんだった。
特に途上国の状況は深刻とされ、新たな患者の6割以上、死亡例の約7割がアフリカとアジア、中南米に集中している。
世界がん報告はほぼ5年ごとに発表されている。作成には40カ国以上の専門家約250人が協力した。