政権崩壊のウクライナ前大統領が会見、プーチン氏への不満も
(CNN) 反政府派の抗議デモで政権が崩壊したウクライナのヤヌコビッチ前大統領が28日、ウクライナとの国境に近いロシア南西部ロストフナドヌー市で記者会見し、自らが依然、ウクライナの最高指導者であることを主張した。
大統領解任を決めたウクライナ議会の行動などを違法と断じたもので、出国の理由については自身と家族の安全が脅かされたためと述べた。安全が保証されるなら帰国の用意があるとも語った。
また、今回の政変におけるロシアの対応への不満を表明。ロシアは行動を起こさなければならないとの見解を示した。この行動の内容には触れなかったが、ウクライナの混乱を克服するため可能性がある全ての措置を講じなければならないと述べた。
「ロシアのプーチン大統領の性格を知っており、同大統領が抑制した態度や沈黙をこれまで守っていることに驚いている」と指摘、「そのことが問題だ」とも続けた。
プーチン氏とは電話で話し合ったが、面会はしていないという。同時に実際に会えば、プーチン氏の態度が理解出来るだろうとも語った。
元駐ロシア米国大使のマイケル・マクフォール氏はCNNの取材に応じ、ヤヌコビッチ氏の会見内容に触れ、モスクワではなくロストフナドヌー市で記者団の前に姿を現したことなどに驚きを表明。同氏とロシア政府の関係がうまく行っていないことを示唆すると述べた。ロストフナドヌー市はモスクワから南方へ約1127キロ離れている。
プーチン氏はウクライナの政情不安を受け、欧州諸国指導者と電話協議し、暴力悪化の事態を回避する重要性などを主張していた。
ヤヌコビッチ氏は会見で、議会が決めた5月25日の大統領選には参加しないとも強調した。