料理のレシピにライフル銃――イスラム過激派に加わる女たち
ただし、一線に出たいというこの女性の野心はISISの厳格な定めに阻まれて満たされないらしく、「これだけははっきり言っておく。女性はキタール(アラビア語で戦闘や殺人の意味)には一切参加できない」「作戦に選ばれない男性もたくさんいて、参加したくて泣いている」とも記した。
ただISISは今年2月に女性部隊を組織した。メンバー約60人は全員が25歳以下とみられ、専用のメディアチャンネルに自分たちの活動の宣伝ビデオを掲載している。
同部隊の任務は検問所を通過する全女性の検査と、支配地域の女性に対するISISの厳格な規律の徹底。女性たちが学校や市場の立ち入り検査をしたり、ニカブで顔を覆わない女性をとがめたりしているという報道もある。
TRACの専門家は、女性が一線に出たり、もっと積極的な参加を望む意思を表明しているのは注目すべき動向だと指摘。「状況は急速に変わりつつある。女性たちは武器の手入れの仕方や射撃方法などを教えられ、基本的な新兵訓練を受けているだけでなく、自衛のための手段も持っている」と話す。
女性たちが料理レシピやデザインを話題にしながら、一方でISISの価値観を固く信じ、世界中の「姉妹」に向けてシリアへの渡航を呼びかけているのは疑いようのない現実だ。