ISIS、アンバル州都で攻勢 首都うかがう要衝
(CNN) イスラム教スンニ派の過激派「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)との交戦が続くイラク情勢で、同国西部アンバル州の地方議会当局者は23日までに、州都ラマディ中心部にある州政府の主要庁舎近くでISISとイラク軍、部族の戦闘が発生したと報告した。
衝突が起きたのは21日で、ISISによる同市への多方面からの一斉攻撃がきっかけだった。交戦は州政府や治安当局の本部が入る庁舎から約305メートル離れた地点でも発生したという。
地方議会当局者はCNNの取材に、ISISが庁舎を攻略した場合、州全体の陥落を意味すると指摘。同州はイラクの首都バグダッドに近く、ISISがアンバル州を握った場合、その戦略的な意味合いは大きい。
21日の交戦で部族の戦闘員23人とISISの12人の遺体が見付かった。ラマディ郊外の警察署長は護衛官3人が戦闘で死亡したと報告した。
同州ではスンニ派が多数派。ラマディの一部地域を支配するISISは最近、支配地の拡大を狙う攻勢を仕掛けていた。米軍主導の有志連合はアンバル州でISIS拠点などを標的にした空爆を実行しているが、大きな戦果はあがっていないとの指摘もある。
米国防総省当局者は先に、米軍顧問をアンバル州に派遣し、イラクの治安部隊を支援する計画を明らかにしていた。