ナイジェリア、治安懸念で大統領選を延期
アブジャ(CNN) ナイジェリアの選挙管理委員会は7日、今月14日に予定されていた大統領選を治安上の理由で3月28日に延期すると発表した。
同国では最近、イスラム過激派「ボコ・ハラム」が軍要員や市民を狙った攻撃が激化している。選管責任者は治安当局からの助言を考慮し、「適切な安全措置なしで選挙を実施するわけにはいかない」との判断に至ったという。
大統領選で再選を目指すジョナサン大統領には最近、ボコ・ハラムへの対応が不十分との批判が集中している。1月には、北東部を訪問した大統領の車列に住民らが石を投げ付けて抗議した。
大統領の与党・国民民主党(PDP)に挑む最大野党・全進歩会議(APC)は、選挙延期を「ナイジェリア民主主義の大きな後退だ」と批判した。
ボコ・ハラムは2009年以降、ナイジェリア北部で警察や学校、教会、民間人への襲撃や政府機関の爆破などを繰り返し、隣国のカメルーンやチャドにも勢力を広げている。この3カ国にベナン、ニジェールを加えた計5カ国は7日、ボコ・ハラムの掃討に向けて軍要員と警官、文民計8700人を展開すると発表した。